労務管理の豆知識No.14<5Sの実践で勤労意欲を高める>
市場が縮小する業界がほとんどとなっている国内市場では、思うような業績や成果が出ない時代になりました。一時的な景気に左右されないだけでなく、国内市場で生き残れる強い会社をつくるためには、5Sの実践という基本がしっかりしていることがますます重要となっています。
1.いまなぜ5Sなのか
競争に強い会社、継続的に業績の良い会社は、決まって5Sがしっかりと実行されています。その理由は、5Sが人の労働意欲に直結する重要なパワーをもっているからです。この基本を大切にせずして、良い業績を継続することはできません。何事も基本が大切なのです。
5Sとは、分りやすくいうと下記のことです。
整理 ‥ 要るモノと要らないモノを区別して不要なモノを処分すること
整頓 ‥ 要るモノを定置すること(あるべきところにそのモノがある)
清掃 ‥ 身の回りのモノや職場の中をきれいに掃除すること
清潔 ‥ 整理、整頓、清掃を毎日必ず継続して実施し、すっきりとした、やる気の出る職場を維持すること
しつけ‥ 職場のルールや規律を守り、徹底して実行すること
2.どうすれば5Sを継続できるのか
基本を大切にすることが大事なのに、なぜ基本がおろそかになるのかが問題です。人間とは、目の前の仕事に追われるもので、忙しいことが安心感につながるものです。しかし、実は、基本のほうが大切なのです。
5Sという仕事の基本を大切にする方法は、職場全体で習慣にすることです。
一日のなかで5Sタイムを設定し、毎日全員で実行することで、5Sに対するやらされ感を捨て去ることが大切です。
できれば朝の時間を15分程度設定し、全員で自分の身の回りを清掃する、整理、整頓することをすることで、習慣化ができます。
社内で経営者を先頭にして5Sに取り組む決定をすれば、職場の雰囲気は変わります。そして、5S推進委員長を任命し、その命令に従うことを社員全員に宣言します。
月1回程度、5Sプロジェクトを開催し、うまく出来た点を顕彰すれば、モチベーションは高くなります。
全社朝礼で優秀者を発表するだけでも顕彰になります。
年間優秀者には金一封を授与することも良いでしょう。
会社を訪問したお客様に与える印象がどの程度改善できたかを検証する仕組みを導入したいものです。気軽に質問でき、遠慮なく発言してくれる顧客に忌憚のない意見を定期的に聞いてみましょう。
新入社員などにヒアリングを行い、他社との比較を行ったり、他社の成功事例をプロジェクトで学ぶことも良い刺激になるでしょう。
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